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『 ZINEと横尾忠則と怒り 』
起床。
どうしても今日中にやりたいことがあったため、付け焼刃のストレッチ。
病院を後回しにし、新宿の印刷屋へと出向く。
前々から構想を練っていたZINE用のデータを、個人では手が出せないような”良い印刷機”で印刷するため。
携帯でこしらえたPNGデータの最高限度がどの程度なのか、この目で見て確かめたかった。
印刷所へ到着。
受付ガールに製本の仕様を説明。
自分の理想にほど近い、再生紙仕様の上質紙(135kg)を指定。
16Pのフルカラー印刷を、一部のみ依頼。
夜には仕上がるとのことだった。
どうしても本日中に見てみたかったので、そのまま新宿に残ることにした。
いつものようにコーヒー屋で時間を潰そうとするも、タバコを吸わないパターンのコーヒー屋での過ごし方がいまいちよく分からず、街に放り出される。
CDショップも楽器屋も行く気がしない。
何気なく寄ったデパートで、日本のポップカルチャー展なるものが無料で開催されていたので、チラ見することに。
そこで何気なく手に取った一冊の本。
横尾忠則氏の作品集におれは驚愕した。
名前はもちろん知っていたが、実はほとんど作品を認識してなかったのだ。
自分の中にあるグラフィックやコラージュ、印刷物の好きな要素がそこには存分に詰まっており、そしてそれは既に存在していた。
脳細胞がビリビリする感覚。
片っ端から横尾氏の作品集を見漁った。
紀伊国屋書店へもハシゴした。
自分のZINEなど受け取らず、そのまま8,800円の横尾忠則全作品集を買って帰ろうかとも思った。
こんなにかっこいい絵や印刷物を作るひとが居たんだな。
目からウロコだった。
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まだまだ時間が余っていた。
新宿から出るとなかなか面倒なので、映画館にて友人オススメの映画「怒り」を見ることにした。
「怒り」鑑賞。
鑑賞したと書いて、感想に触れないのもアレなので少し。
作品の最も重要な事件における「怒り」の感情の出処が分かりずらかった。
役者陣は皆とてもいいのに、それぞれのキャラクターの背景や内面への描写が弱く、入り込めず。
妻夫木聡氏だけとてもよかった。
僕の感想です。
以上。
鑑賞後、時間はちょうど受け取りの19時になっていた。
完成したZINEを受け取る。
初めて作った自分の出版物。
手触り。
一枚印刷じゃない厚み。
本当に本になっている。
とても感動した。
客観した印刷結果は、
コラージュした部分は解像度が足りてない。
写真と文章の印刷部分に関してはOKラインを超えている。
全体の出来がよければ100部ほど作り、元がとれる最低額(300円〜500円ほど)で販売しようと思っていたが、現状、そこまでは届いていないと判断。
ZINEプロジェクトはお蔵入り。
ここ一週間ほど、ZINEを作ることばかり考えていたので、とてもスッキリした。
やっぱりここまでやらないと、納得できないし、いいタイミングで本物のデザイナーを知れ、ある意味啓示なのかもしれないとも感じた。
生半可なものは売れない。
おれには決して横尾忠則のような作品は作れないが、横尾忠則もおれが作ったような音楽を作ることはできないだろう、と納得。
結構いい出来なんだけどね。
次の方向性が見えたら、またいつかやりたいな。
それは世界に一冊だけの、おれの本になった。