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いったっ
頭に突き刺さるなにか。
近寄って見てみると、それはどんぐりであった。
頭上では悪気ないよと鳥の声。
目の前ではバタフライナイフをシャカシャカ操るおっさんが歩いていた。
冬が近い。
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「あたらしい整骨院には気を付けろ。」
本投稿はこういった題名にしようと思う。
ドラムを始めて以来の背痛持ちであるおれは、不定期的に整体や整骨院に通っている。
といっても本格的に悪いなと感じたのはここ3〜4年かもしれない。
熊本に住んでる頃よく行っていた、おはな整骨院は接客も施術も良く、漫画も置いてあったので、とてもお気に入りだったのだが、ここ東京でまた新しく探す羽目になっていた。
近所にとある整骨院が出来たのは知っていた。
外観は、なんら特徴もない普通の整骨院。
痛みに耐えられなくなったおれは、ある日、飛び込みに近い形でそこで診療を受けることにした。
殺風景な待合室だ。
まぁ出来立てだからこんなもんか。
とりあえず書いてくれと渡された問診票。
ん?
最後に変な項目があった。
たしかこういった文言だったと記憶する。
奇跡の枕についての話を受けられたいですか? yes no
、、、
怪しい。
とても怪しいぞ。。
まぁ、何か提携した商品でも取り扱っているのだろうと、一旦無視をした。
施術は普通であった。
ストレッチから、骨をポキポキ。
こんなとこに気をつけるといいですよ的な問診を主に、それは終わった。
気になった点といえば、店内の空気が異様に無機質であること。
店員同士の会話が無いこと。
異様に目を見て話しかけてくること。
途中謎の書類を書かせようとしたこと、くらいだ。
無理くり次の予約を促され、店を後にした。
少々の怪しさをのこしつつ。
でも悪い人ではなさそうだった。
しかも外観は、なんら特徴のない作り。
店名もまったくもって普通。
地名+整骨院。くらい。
なんとなく店を変えようかとも思った。
次の予約日が近くなり、日々の喧騒に追われる内に、このままこないだの整骨院でえっかー、という面倒臭さの方が勝っていった。
診療二日前。
”緊急” と書かれた書類が我が家に届いた。
その整骨院からである。
緊急?
何か保険適用の手続きに不備でもあったのかと、封を開けた。
、、、
文頭はこうだ。
どうか、私達を信じてください!
、、、
絶対おかしいやん。
パンフレット無しのノート紙数枚に、鉛筆の鉛文字がびっしりと埋まっていた。
そしてとても長い。
遠距離恋愛中のカップルの、四ヶ月に一度送り合う便箋より長そうだ。
一瞬で宗教法人がバックについてることを認識した。
おれは宗教をまったく否定しないが、流石に一度通っただけの店からこのような”緊急”と書いた書類が届き、開けると精神世界の内容がびっしり詰め込まれているというやり方には困惑。
空気の読めなさ。
勧誘のセンスがなさすぎる。
どんな教えをこいとんねん!
おれが次の予約を颯爽と取り消したことは言うまでもない。
おれは少しガックリした。
また新しいとこ探さなきゃなぁぁ。
「あたらしい整骨院には気を付けろ。」
これが今日のおれからのメッセージである。