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大人の都合で泣く男の子。
お別れするクラスメイトと、サッカー部の友達たちへ鉛筆を買いに行くらしい。
小五の頃、好きだった女の子が転校した。
今も名前を覚えている。
好きだと伝えたかは定かではないが、その後二、三通手紙を出した覚えがある。
悲しかった。
小六になると新しく好きな女の子が出来た。
中一になると別の女の子を好きになってた。
子供心の循環は大人が心配するスピードの何倍も早い。
ま、おれのことはどうでもいいか。
子供は泣く。
親だけのせいにするかもしれない。
でもそれは家族の話。
君も家族の一員である。
親同士の不和は親同士だけの問題じゃない。
子供の気持ちだけに合わせていたら、親だって自分自身を見失ってしまう。
家族は運命共同体でもある。
離れたとしてもそうなる。
この世において最も特殊な関係性なのだと、いづれ理解する時がくるだろう。
そんなこと子供の頃に言われてもサッパリだろうが。
部活やってみたり、グレて先輩と遊ぶようになったり、バイトを始めてみたり、心から信頼出来る友達ができたり、夢に向かって走り出したり、挫折したり、仕事先で上司にどなられたり、友人が死んだり、一生過ごしたいと思える相手が出来たり、その子と別れたりして。
だんだん理解するようになる。
独り立ちするまでは、と思っていたものの、親元を離れて、やっと独り立ちが出来て、自由を勝ち取った気でいようが、それはずっと続く。
おれも最近知った。
大丈夫。
すぐ新しく楽しいことが見つかる。
まだまだ世界は知らないことばかりだろ?
ひろい世界。
おまえは可能性で満ち満ちてる。
大丈夫。
話聞いて涙が出そうな
いいかげんな叔父さんより。