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生まれて初めてトーストに納豆を乗せた。

 

おれの体重が500g減ったことに気付いた友達から、健康に気を使うよう、それをススめられたからだ。

もっと痩せそうやがありがたい。

 

 

32年生きて来ても、まだまだ世の中には未体験なものが沢山あるらしい。

 

 

味はパンに納豆が乗った味だった。

 

 

 

〜〜〜〜

 

 

 

おれは「寸止め海峡(仮題)」のDVDを手にしている。

 

 

このタイトルだけでそれが何なのか、ピンと来た人は当時「遺書」や「松本」を読み漁っていた凄く記憶のいい人か、よほどのお笑い好きだろうと思う。

 

 

寸止め海峡はその昔、松本人志が行なった入場料一万円ライブの映像作品で、VHSにはなっているが、未だにDVD化はされていない。

 

 

おれが松本人志を好きだと知った友達が、わざわざDVDに焼いてくれたのだ。

 

 

 

見たのは高校生時分だったから、だいたいやが、15年ぶりだ。

 

当時の記憶では、正直おもろかったっけなー、くらい。

それより、頭の中が「?」になったのを覚えている。

 

 

 

今見たら絶対面白いよ。

とススめられた。

 

 

 

 

あの時ピンと来なかった細かい演出やシュールさや笑いがグサグサと突き刺さる。

 

 

 

まじかよ。

 

 

 

めちゃくちゃ面白い。

ひっぱる男からいきなり凄い。 

 

 

 

単なるノスタルジーじゃなく。

 

新鮮に面白い。

 

 

涙が出た。

笑いなのに。

 

 

15年を経て、やっと追いついたのかもしれない。

 

 

 

 

 

 

 

高校生のおれは、ダウンタウン

特に松本人志に夢中であった。

 

”特に” と書いたのは、もちろんごっつもガキも、ダウンタウン関連の番組は好きでほとんど全部と言っていいくらい見ていたのだが、特段ハマったのは松本人志単独の著書だった。

 

 

特に最も衝撃を受けた本がある。

 

 

「愛」というタイトルの著書だ。

 

 

この本は多分「遺書」や「松本」の延長線上で手に入れたものと記憶しているが、それを読んだ時の衝撃といったらなかった。

 

 

 

これは。

 

おれのための本だ。

 

 

 

そんなことを思ったほどだ。

 

 

どれくらい好きだったかというと、文庫本を毎日学生カバンに入れては持ち歩き、学校終わってもスボンの後ろポケットに入れては持ち歩き、事あるごとに本をかっぴらき読み耽っていた。

 

 

悔しいことがあると読み。

楽しいことがあると読んだ。

 

 

結果、本がボロボロになりすぎて、一、二度それを買い換えたほどだ。

 

 

話題になった「遺書」や「松本」よりもグッとシリアスな内容で、一つ一つのトピック、というかお題を深く掘り下げていくような本である。

 

 

 

死について。

 

とかそんな感じ。

 

 

 

おれの性格の一部は、確実にその本によって育てられたし、むしろ救われていた。

 

 

ボロボロになった本を買い換えるなんて行為は、もう出来ないかもしれない。

 

 

大人になり、本くらいなら自由に買えるようになったこともあるし、ひとつの物事への没入感はある種、若者の一つの特権だ。

 

 

未だにそれがうちの本棚にあるから不思議に思う。

好きすぎた故、もう読まないかもしれない。

 

 

ただ持ち続けるのだろうとは思う。

物に執着心のない自分にも、いくつかそういうものがある。

 

 

 

これは、いまでも松本人志が映画を作れば真っ先に映画館に足を運ぶ気持ちと、一緒だ。

 

 

 

 

正直。

 

  

松本人志の作るショートコントや、ビジュアルバムのようなショートムービーは最高だと思っているのだが、映画という枠で見るとその才覚は奮っていないように思う。

 

 

単純に、面白くない。

 

 

 

それが分かってるのになぜだろうか。

 

 

出来れば公開と同時に。

誰よりも早く見たい。

 

 

 

極論。

別につまらなくてもいいのである。

全部観ておきたいだけ。

 

 

 

凄くがっかりしたとしても、迷わず次も行く。

 

 

 

つまりはただのファンだってことだ。

 

ミュージシャン相手にはいない。 

 

 

 

作品の出来がどうであれ、ただただそれを見守りたいと思えるのは、おれにとっては松本人志くらいだ。

 

 

 

15年ぶりに寸止め海峡を見て、 

またそんな気持ちを確認した。

 

 

 

そしてこれからも期待し続けていくんだろうと思う。

 

 

 

 

 

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